上顎前突とは
上顎前突とは、上の前歯が飛び出ていて、口元が出ている感じに見える咬み合わせを言います。
上顎前突の原因は、
- 上の前歯が原因の場合
- 上の前歯が前方に突き出している場合と顎の位置が原因の場合
- 上顎が下顎よりも前に位置し、下の前歯よりも上の前歯が前に出ている場合
があります。また、複数が問題の場合もあります。
上顎前突の弊害
上顎前突をそのままにしておくと、口が閉じにくく、口腔が乾燥しやすく、むし歯、歯周病になりやすくなります。また、のどにも影響が出て、風邪をひきやすくなるなどの弊害、発音の障害、前歯でものを噛み切れないなどの、咀嚼障害が生じることもあります。
上顎前突の治療
1子どもの場合
下顎の成長促進のために、下顎を前方に誘導する装置がありますが、逆効果になること、また顎関節症を引き起こす可能性があるため、使用しません。
下顎は、しっかりと顎関節の中に、顎が入っていて初めて成長するため、前に引っ張り出されると、成長が抑制されて効果がなく、顎関節を前に引っ張り出されて、顎の関節が亜脱臼状態になり、顎関節症になる可能性が非常に高いので、使用しません。
当院では、上顎骨の成長抑制と、上顎大臼歯の後方移動の目的で、ヘッドギアを使用します。
使用は、就寝時と寝る前の数時間、トータルで10時間使用していただければ、十分効果がでます。
2大人の場合
前歯をどのくらい引っ込めたいかによって、治療の方法が異なります。例えば、ほんの少し、前歯を引っ込めたいのであれば、歯を抜いたりせずに、歯と歯の間に少し隙間を作ってあげて、引っ込めることもできます。
下の前歯のところまで、上の前歯が引っ込んでくれれば大丈夫という方の場合は、上の小臼歯のみ2本抜けば大丈夫です。
とにかく口元を引っ込めたい場合は、下の前歯も引っ込めないといけないので、上の小臼歯2本、下の小臼歯2本を抜歯する必要があります。
どうしても、歯は抜きたくないけれども、口元は引っ込めたい方の場合は、インプラントアンカースクリューを使用して、大臼歯を後方に移動して前歯を引っ込めていきます。