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舌側矯正(リンガル矯正)とは

舌側矯正(歯の裏側からの矯正)とは、歯の裏側にブラケットを装着して行う矯正治療です。歯の裏側に装置がつくため、他の方から装置が見えず、審美性の高い治療方法です。
しかし、治療は、ラビアル矯正よりも難しく、専門の技術と知識が必要です。

MERIT

メリット

1装置が見えない

歯の裏側に装置をつけるために、表側からは装置が見えません。そのため、装置が見えてしまうストレスがなく、気持ちよく治療を受けていただくことができます。

2奥歯の歯磨きはしやすい

前歯の裏側は、直接見えにくいために、歯磨きしにくいですが、横の歯、奥歯はしっかりと見える分、歯磨きはしやすいです。

3むし歯になりにくい

イメージと違うかもしれませんが、リンガルブラケット(裏側矯正)の方がむし歯になりにくいです。
それは、エナメル質という硬い層が、歯の側の3倍厚いことと、歯の裏側は、いつも唾液が流れていて、乾燥することがないために、ラビアルブラケット(表側矯正)よりも虫歯になりにくいのです。

4治療期間

歯並びの状態にもよりますが、かみ合わせが正常、または開咬のような場合は、ラビアル矯正と治療期間は同じです。唯一、咬み合わせが深い場合、ラビアル矯正のほうが、舌側矯正(リンガル矯正)、マウスピース矯正よりも治療期間は、短めになります。

DEMERIT

デメリット

1歯磨き

前歯の裏側の歯磨きは、見えにくいため、磨きにくいことがあります。慣れてくれば、きれいに磨けるようになります。

2装置を付けにくいことがある

かみ合わせが深く、下の前歯を上の前歯が覆ってしまっている場合、上の前歯に装置が付かないことがあります。その場合は、下の装置を先につけ、かみ合わせを浅くしてから、上の装置をつけます。

3違和感

装置に舌が当たるために、舌に違和感があり、慣れるまでは発音に影響がでることがあります。
しかし、皆さん確実になれることと、当院では、初めに装置の上からプラスティックのカバーをつけますので、確実に問題なくお過ごしいただけます。
当院は、CAさんが多くいらっしゃいます。皆さん、仕事柄、舌側矯正(リンガル矯正またはハーフリンガル矯正)で治療をされておられ、普通に、機内アナウンスをされていらっしゃいますので、むしろ積極的に話したほうが早く慣れるようです。

4費用が高め

歯の裏側の形状は個人差が多く、既製品では対応できないために、全てオーダーメードの装置を作成します。その装置を作成する費用と、ブラケット一つ一つの値段がラビアル矯正の装置より高いため、どうしても費用は高めになります。

DEVICE

裏側矯正装置の種類

1

フジタブラケット

最も歴史のある裏側矯正装置です。改良を重ね、現在第6世代の装置になります。
この装置の特徴は、ワイヤーを固定する溝(スロット)が3本あることです。X、Y、Zの各軸にスロットがあることで、歯を完全に三次元的にコントロールできます。このブラケット以外に3本のスロットを持つ装置はなく、2本のスロットですら持つ装置はなく、圧倒的な特徴になります。治療できない症例はないといわれるのは、この装置だけです。

2

アリアス

ワイヤーをキャップで固定する装置です。キャップの精度が比較的高く、摩擦の少ない装置です。スロットは一本のみで、重度の症例のコントロールは難しいですが、軽度の症例に適しています。

3

クリッピー

こちらもワイヤーをキャップで固定する装置です。スロットは1本で、アリアスより太めのワイヤーが使用できるため、治療の範囲が少し広めになります。ただ、キャップの精度に問題があり、アリアスより摩擦が大きめです。

4

ハーモニー

こちらもキャップ式の装置で、ワイヤーは、クリッピーと同じ太さのワイヤーが使用できます。そのため、治療の範囲は少し広くなります。装置は大きめですが、舌感が良いように設計されており、違和感は少なめです。

フジタブラケット アリアス クリッピー ハーモニー
治療性能
装置の大きさ
CASE

治療例

叢生

治療前画像
治療後画像
主訴 受け口・叢生・顎関節
年齢・性別 26歳・女性
治療方針 抜歯による叢生の改善と突出感の除去
抜歯部位 上下左右4番 抜歯
使用装置 リンガル(フジタブラケット)
治療期間 3年1か月
保定装置 クリアアライナー・ベッグリテーナー
リスク・副作用 痛み・治療後の後戻り・歯根吸収・歯肉退縮

治療費概算

精密検査・診断 35,000円
矯正治療費 1,100,000円
調整料 5,000円/回

その他の症例はこちらから

FAQ

よくある質問

Q

どのような症例でも治療できますか?

治療に関しては、どのような症例でも治療は可能です。ただし、歯の裏側に装置をつけるという制約があるために、かみ合わせの深い症例などでは、下の前歯が上顎の装置を咬んでしまうために上顎に装置がつけられません。
その対処方法としては、下顎の前歯のコントロールをしてから、上顎の装置を付けます。この場合、どうしてもタイムタグが6ヶ月ぐらい生じます。
また別の方法では、奥歯の咬合面にプラスチックを盛って、かみ合わせを上げて、上顎の装置をつけますが、ご飯が食べにくい、しゃべりにくいなど、かみ合わせが深い場合、治療は大変になります。

Q

裏側矯正の得意な症例はありますか?

開咬(オープンバイト)は得意な症例です。
開咬の治療で大切な要因は、近心傾斜している奥歯をまっすぐにする(整直)ことと、舌のコントロールです。特に、裏側矯正の装置は、歯の裏側に装置がつくため、舌を前に突き出す癖のある患者さんにとって、舌を突き出した時に違和感のある装置があるため、舌を突きださなくなるきっかけになり、治療がスムーズに進みます。

Q

むし歯になりやすいですか?

歯の裏側のエナメル質が表に比べると3倍厚いこと、常に唾液が流れていることなどから、むし歯になりにくい環境にあります。