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2023.05.31
子供の矯正

子どもの矯正ガイド


子どもの矯正ガイド

「前歯が目立つけれど出っ歯なのかな?」「前歯が斜めに生えてきたけれど大丈夫なのかな?」――親ならば、大切なお子さんの歯並びは気になるもの。

大人の歯が生えるにつれ並びが悪くなっている我が子を見ながら「矯正は必要なのかな」「いつ頃から始めたらいいんだろう」と悩んでいる方はいませんか?

このページでは、子どもの矯正治療についてご説明します。

子どものうちから矯正をするメリットを教えてください

歯を抜く可能性が少なくなります

7歳から矯正治療を始めた場合、7割のお子さんは歯を抜かずに治療を終えられたというデータがあります。矯正治療が必要になる大きな原因は顎が小さいためです。そして、歯の大きさも昔に比べると大きくなっています。小さい顎に大きな歯が入りきらずに、がたがたの歯並びになっていることが多いのです。

自分で取り外しできる簡単な装置で済む場合がある

床矯正装置(しょうきょうせいそうち)と呼ばれる取り外し式の装置で治療が済みます。床矯正装置とは、入れ歯のような自分で取り外せる装置のこと。顎を広げて、永久歯が並ぶだけの隙間をつくってあげます。

食事のとき、歯磨きのときも自分でつけ外しできるので、注意しないといけない食べ物はありませんし、歯磨きがとても楽で虫歯になる心配がありません。学校につけていく必要もないので、友達に装置を見られる心配がありません。夜寝るときだけつけて、朝起きたら外して学校に行ってください。それでも十分効果はあります。

とはいえ、床矯正装置は顎を広げる装置ですので、これだけでは完全にきれいに並ばないこともあります。そのようなときは、ワイヤーを一時的に使って並べたり、他の装置を使うこともあります。

顎の大きさのアンバランスを整える治療ができます

受け口や出っ歯の方の歯並びが、歯だけの問題でなく顎の大きさのアンバランスが影響していることがよくあります。受け口も下顎が大きい場合、逆に下顎は問題ないのだけれど上顎が小さい場合もあります。このような顎のアンバランスを改善する治療は、成長期の子どもでないとできません。

大人になると顎の成長がないので、アンバランスの改善をするためには手術しか方法がなくなります。そのような意味からも、子どもの時期に矯正治療を始めることを積極的にお勧めします。

子どもの矯正を始めるタイミングとは?

お子さんの矯正治療を始めるのに最適なタイミングは、おひとりずつ症状が異なりますし成長の進み具合も異なります。お友達がまだ治療をしなくて大丈夫でも、お子さんがまだ大丈夫とは限りません。

ちなみに日本矯正歯科学会では、7歳までに矯正専門の医院で検診を受けることをお勧めしています。しかし、中にはもっと早く治療を始めないといけないお子さんもいらっしゃいます。わたし達にとってもっとも悲しいことは、手遅れになってしまっているお子さんに出会ったとき。もちろんリカバリは可能ですが「もっと早く来院していただけると歯を抜く必要がなかったのに」といったケースは少なくありません。

そのようなことがないように、初心相談を気軽に受けていただきたいと思います。 相談に来られるのが早すぎて悪いことは全くありません。もし、幸いにも早すぎて来られた場合でも、虫歯のチェックをさせていただきますし、定期的にかつ継続的にチェックさせていただくこともできますので、来ていただくメリットは十分あると思います。ぜひ、いらしてください。

子どもの矯正治療ではどんなことをするのですか?

歯ブラシの基本を身につけ、歯並びに影響する悪癖(爪噛み・指しゃぶり)があれば、除去します

乳歯の虫歯は歯の正しい交換を妨げる原因になります。また悪習癖は将来の歯並びに影響します。正しいブラッシング法を身につけることは虫歯を予防するだけでなく歯並びにとっても大切なことです。

顎の骨の成長をコントロールします

例えば、前歯の噛み合わせが逆(反対咬合)の場合、上顎が前に成長しようとしても下の前歯によって妨げられ、前方に成長できずに骨格的な反対咬合になってしまうことがあります。また、噛み合わせのずれが原因で下顎が左右どちらかにずれていると、顎の成長も影響を受け、骨格的に左右アンバランスになることがあります。

そのため、早期に正しい咬み合わせに改善し、正しい骨格の形成を促す必要があります。

大人の歯が生えるためのスペースをつくります

最近のお子さんの傾向は、顎は小さくなり歯は大きくなる傾向にあります。そのために永久歯の生えるスペースが不足し、八重歯や叢生になるお子さんがとても多くいらっしゃいます。

また、乳歯が虫歯などで早期に抜けてしまい、そのままにしておいたために6歳臼歯がどんどん前に寄ってきて、小臼歯が生える隙間がなくなって生えてこないと来院されるお子さんをよく見かけます。乳歯の脱落で空いたスペースを確保したり、6歳臼歯を後方へ動かしたり歯列を広げることで、永久歯の生えるスペースを確保します。

負担の少ない装置を使います

例え小さなお子さまでも、歯に付いた矯正装置が気になるものです。コンプレックスのない明るいお子さまになっていただくためにも、子どもにとって精神的な負担の少ない装置を使用しています。

子どもの矯正の流れを教えてください

子どもの矯正の場合、初めからワイヤーの装置をつけて治療をスタートするわけではありません。小児矯正は大きく分けて2つのステップに分かれます。

ステップ1/第1期治療

この時期は、成長とともに状態を悪化させる要因を取り除き、その後の成長発育ができるだけ正常に近くなるように軌道修正をする期間をいいます。第1治療期がうまくいくと第2治療期では永久歯を抜かずに治療できる可能性がグッと高くなります。ケースによっては、第1期治療だけで終了することもあります。

ステップ2/第2期治療

大人の矯正のことです。上下すべての歯にブラケットを装着し完全な咬合に仕上げる治療です。※初診時に永久歯が生え揃っている方は第2期治療から行います。

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