ロスフィロソフィーとは
ロス先生が作り上げられた矯正歯科治療の診断と治療システムをロスフィロソフィーと呼んでいます。
顎位(顎の位置)、機能的咬合を診査診断し、最適な顎位のもとで矯正治療を行うことが特徴になります。
ほとんどの矯正歯科治療の診断においては、いつも噛んでいる位置を基準に診断を行います。しかし、いつも噛んでいる位置が、必ずしも顎の関節にとって良い位置かどうかは全く保証がありません。
そのため、顎の関節の位置を治療前に確認し、位置が正しくなければ顎の位置を良い位置に修正して、それから矯正治療を行うのがロス先生の考え方です。
いつも噛んでいる位置と、顎の関節にとって良い位置にあまり差がなければ、そのまま矯正治療を行っても大丈夫ですが、ずれが大きい場合、症状があるような場合は、顎の位置を良い位置に移動してから矯正治療を行った方が安心です。
家を建てる例えで言うと、家を建てるときに地盤をしっかり固めてから建物を建てます。もし地盤がしっかりしていないと、どんなに立派な家を建てても、傾いたり地震に弱かったりと問題が出ます。
矯正の場合も、顎の位置を良い位置に固めるという地盤を固めることを行わないで、歯並びという家を建てても、問題が生じる可能性があります。
噛み合わせの重要性
噛み合わせはとても重要です。ただ、それ以上に重要なのが顎の位置です。良い噛み合わせでも、顎の位置がずれていることはよくあります。
なぜ、そのようなことになるかというと、歯の萌出と、顎関節の成長が別々にコントロールされているためです。
歯は、顎関節の都合など考えないで生えやすいところに生えてきます。そして、上下の歯同士ご飯が食べやすい位置で噛み合わせを作ります。しかし、その位置が顎関節にとって必ず良い位置である可能性は低く、顎関節はずれた状態になります。
顎関節は、他の関節に比べるとかなりルーズな状態でも機能するようにできていて、他の膝や肘の関節でいうところの脱臼といわれる関節が抜けた状態でも頑張って機能してくれます。しかしその結果、顎関節の上に載っている関節円盤がずれたり、ずれ落ちたり、さらには関節の頭が吸収したり、関節の頭が炎症を起し変形することがよくあります。
そのため、噛み合わせを良くするためには、顎関節の本来の位置に治してから、矯正治療を始めないといけません。